高級感=派手という感覚
先日、お手伝いしている商品のパッケージ案について話していた時のこと。
元々は、高級感を狙った派手で賑やかな見た目だったけど、これからはガラリと雰囲気を変え、スッキリしたシンプルなデザインにしようということに。
デザイナーさんから届いた案はとても良い塩梅。いいねーいいねーこりゃいいねーと、取引先の代表と盛り上がっていたところ、先代や組合の年配層からは「ダメだダメだ!」と全力否定されるという事態に。
何がどうダメなのか尋ねてみると、アーでもない、コーでもないと述べるけど、とどのつまり『シンプルなデザイン=安っぽい』という感覚が根底にあっての意見なんだなと理解。言い換えると『高級感を出すなら、派手で賑やかにすべし』ということ。
話を詳しく聞いて「なるほどね」と思ったのだけど、年配層の皆さんは、戦後の「物が無い」状態で育った世代。「物がある」ということが豊かさであって、家に掛け軸、壺、絵画、盆栽、演奏しない琴、ガラスケースに入った日本人形などなど、生活「不」必需品がどれだけあるかがステータスという価値観で生きてきて、その感覚が根強い。
我が実家の座敷部屋にも、掛け軸や琴が飾られています(※賞状の文言ぼかし加工)
たしかに、じいちゃんばあちゃん世代は派手なガラモノを好むよなー。演歌歌手を見てると解りやすいよなー。無印良品を好んで買い物している年配層ってほとんど見かけないよなー。てことに改めて気づいたというお話。
ちなみに、パッケージデザインは「この先5年、10年と売っていきたいんで」と説得して、なんとかシンプルな方面に着地しました。めでたし。