静岡を離れた人こそ「五味八珍」へ
子供の頃は頻繁に行きつつも、大人になってからはスッカリご無沙汰になっている飲食店。それは「五味八珍」。地元では昔からお馴染みの中華ファミリーレストラン。ちなみに「ごみはっちん」と読みます。
▼五味八珍
▼子供の頃よく行っていたのは「磐田店」と「豊田町店」
http://www.gomihattin.co.jp/shop/iwata.html
http://www.gomihattin.co.jp/shop/toyoda.html
▼家から最寄りの「袋井店」は数少ないフランチャイズ店の1つ
http://www.gomihattin.co.jp/shop/fc_fukuroi.html
数年前、東京で出会った静岡出身の友人と「五味八珍の五目あんかけ丼、よく食べてたよねー」と話したことをふと思い出し、先日、たぶん21世紀になってから初めて五味八珍へ。
訪れたのが昼ということもありメニューは全てランチ仕様。いつの間にか浜松が餃子で有名になったこともあってか、餃子付きメニューがとても多い。ラーメン+餃子。炒飯+餃子などなど。ちなみに、上京する前は「浜松といえば餃子」というイメージは全く無く、ほんと「いつの間にか」そうなっていた浦島太郎状態。
お目当の「五目あんかけ丼」はメニューに見当たらず。調べたら「中華丼」という名前になっているようだけど、それも見当たらず。ランチメニューの時間帯に来たことが仇となった模様。無念……。
迷った末「五目ラーメンと餃子のセット」を注文。フルサイズの五目あんかけラーメンに餃子が5個。更に小ライスまで付いているという、清々しいほどの炭水化物フィーバーぶり。五目ラーメンを選んだのは、お目当の丼に辿り着けなかった怨念を少しでも成仏させるため。
▼ランチメニュー
http://gomihattin.hanjomo-site.jp/lunch.html
子供の頃よく食べに来ていたとはいえ、ものすごく味が好きだったとか、絶対にココじゃなきゃイヤだとゴネていたとかいうことはなかった五味八珍。それでも、東京で静岡県出身者に会うと、みんな小さい頃からお世話になっていて「ウチらのソウルフードだよね」と五味八珍ネタで盛り上がることしばしば。そして誰も五味八珍のことを悪くは言わない。知っているハズなのに、すっかり忘れている五味八珍の味。きっと可もなく不可もなしで特別感動するようなものではないのだろうけど、過去の記憶と答え合わせをするようなワクワクした気分になっている自分がいます。
しばらくして出て来た五目ラーメン。食べてみたら、あれま、予想していた以上に美味しい。
昔の出来事が美化されて記憶されている=改めて触れるとそうでもないことを「思い出補正」と呼びますが、今回は逆パターン。記憶では「それほどでもない味」なので、ワクワクした感情も無意識にセーブしてしまう。ところが、改めて食べてみたら思っている以上に良かった「現実補正」な状況。結果としてプラスに働いてるので得した気分。
ちなみに、昔よく利用していた時に店内の各テーブルにあった「お母さんへ:お子さんは散らかすことの名人です」といったメッセージボード。これが今でも変わらず、しかも、写っている子どもの写真もそのまま使用されているという20世紀ノスタルジア。
▼こちらの写真がそうです
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/shizu_area/shizu_serial/list/2016/CK2016010902000261.html
とても久しぶりだった五味八珍。
正直、絶賛するほどの味ではないし、きっと地元でずっと生活を続けていたら「たまに行くファミレス」くらいな、なんてことない存在。ところが、地元を離れて上京し、当たり前にあった五味八珍が無いことを意識した瞬間、急に寂しくなる。そして少しだけ五味八珍のことが恋しくなる。
静岡を離れた人が「地元に帰ってきたんだなー」とシミジミ浸るのに、五味八珍はとても良いお店なんじゃないかと。メニューは変われど、お店の雰囲気は昔のままだもんで。